この本は自分の想いを文字にする機会がある方におすすめです。
例えば、ブログ、感想文、インタビュー記事、twitterなどSNSで文章を書く方には気づきが多いはずです^^
※ビジネスでよく言われる、「結論から先に書こう!」「質問は箇条書きにしよう!」のような内容は出てきません!
本の概要について
自分の気持ちをいざ文章にしようとすると、なぜか筆が進まない。
気持ちを言葉にして話すことはできるのに、書くことができない。
そんな経験がある人は多いのではないでしょうか?
そんな時よく「話すように書けばいいんだ!」というアドバイスをする人もいますね。
しかし筆者は「話すこと」と「書くこと」は一緒ではないと断言しています。
この筆者というのが、フリーランスライターの古賀史健さん。
出版社での経験を生かし24歳でフリーライターになった古賀さんが、15年間かけて現場で得たノウハウを1冊にまとめた本。
この本では主に以下のことを教えています。
- そもそも文章とはなんなのか
- 読みやすい文章のリズム
- 文章構成
- 読者を惹きつけるために
- 編集することとは
要約
序章
文章を書くときの心得
自分の頭にある想いを文章にすることができない理由は、書こうとするから書けない。
文章は”書こう”としてはいけない。
じゃあどうすれば良いのか?
”書こう”ではなく、伝わる言葉に”翻訳しよう”と考えることが大事である。
翻訳するってどういうこと?
”翻訳”とはどのようにすればよいのか?
自分がインプットした知識、自分の頭の中にある伝えたいことを読者に伝わるように噛み砕くことだ。
”書く”という表現では説明できないことが、”翻訳する”には含まれている。
頭の中を整理し、読者がわかりやすいように文章構成や伝え方を変えることこそがここでいう”翻訳”だ。
考えるために翻訳する
多くの人は「理解した、よし書こう!」という思考になる。
しかしそれは間違っている。
書くということは、翻訳する(頭の中を整理し、読者がわかりやすいように文章構成や伝え方を変える)こと。
翻訳するためには読者に伝わりやすいように書かなければならない。
翻訳作業の途中でよくわからない部分があるときは、読者も読んでいてよくわからないはずだ。
だから、わからないことから逃げずに、さらに理解を深めるために考えなければならない。
自分が翻訳できた時に初めて読者にもわかりやすい文章になっている。
ここで間違ってはいけないのは、理解できた→アウトプットしよう!ではない。
アウトプットする→わからないことが出てくる→自分なりに考え正解にたどりつく→アウトプットする→…を繰り返しながら文章を書くということだ。
最初から自分の考えがまとまっていて、アウトプットできる人は少ない。
わかりやすい文章を書くために
文章のリズムを意識する
リズムの悪い文章とは「読みにくい文章」のことだ。
では読みにくい文章とはどんなものか?
例えば
- 文と文の繋げ方がおかしい
- 文章の論理展開がおかしい
- 主張が支離滅裂
つまり文章のリズムは「論理展開」で決まる。
論理展開が正しいかどうかを調べるためには「接続詞」を使ってみることだ。
文と文の間に適切な接続しを入れてみる。
もし論理展開がおかしい場合はどの接続詞を入れてみてもしっくり来ない文章になる。
1度作成して文章は確かめてみたほうがよい。
文章の構成を考える
文章の構成、つまり論理的な文章にするための流れのことだ。
筆者は常に以下のことが文章に入っているか意識するという。
①主張(その文章を通じて訴えたい主張)
②理由(主張を訴える理由)
③事実(理由を補強する客観的事実)
そして、文章にはこの「①主張」を必ず入れる必要がある。
読者が読んだときに「だからどうした?」という感想しか出てこず、文章を書く意味がない。
また、「③事実」が欠けていても説得力のない文章になってしまう。
そのためこの①〜③の全てが連動しているかを意識することが大切だ。
読者の椅子に座る
どんな文章にも読者がいる。
会議の議事録なら会社の上司や同僚、ブログなら読者の方、SNSならフォロワーの方など、必ず読者というものがある。
自分しか読まない日記はどうか?
この場合の読者は「自分自身」になる。
つまり、文章には多かれ少なかれ必ず読者が存在するのである。
その読者と同じ椅子に座る必要がある。
横に立つのではなく、読者の立場に立ってみなければならないということだ。
しかし、実際にその立場に立ったことがないのに、読者と同じ椅子に座るというのはとても難しいことである。
ではどうすれば良いか?
同じ椅子に座れそうな読者を文章のターゲットにしてしまえばよい。
例えば
- 10年前の自分と同じ状況の人
- 特定の”あの人”
私も今この文章を過去の自分のような人に対して書いている。
「この本を知らない過去の自分」の椅子に座って書くことができる。
1番やってはいけないのが、ターゲットを複数用意し、たくさんの椅子に座ろうとすることである。
とても八方美人的な文章になり、結果誰にも刺さらない文章になってしまうからだ。
誰に何を伝えたいかを決め、この軸を意識することが大切である。
文章を書き終えたら推敲ではなく編集する
文章を書く時は何を書くかを考えがちだが、本当は何を書かないかが大切である。
なぜなら、文章のネタは日常に転がっているからだ。
その中から何を書かないかを決めないと伝わらない文章になる。
そのため文章を書き終えてやることは内容を編集すること。
編集とは動画の編集をイメージしてもらえればよい。
どの文章を残し、どの文章をバッサリカットするかということだ。
せっかく時間をかけて書いた文章でも、読んでみて不要だと思ったら削除する。
また、長い文を見つけたら2つに分け、読みやすく伝わりやすい文章にする。
接続詞をつけて論理的に筋が通っているか確認をすることも大切だ。
しかし、自分が書いた文章をまっさらな気持ちで読むことはできない。
何度読んでも結局は自分が書いた文章なので、意味が通じてしまう。
そんな時、筆者は以下のことを実践している。
- 1日寝かせて、次の日に読み返してみる
- ワープロソフトにコピー&ペーストして、フォントを変えて、縦書き・横書きを変更して読んでみる
- 家族や友人などに読んでもらい率直な意見をもらう
そうすることで、伝えたいことが伝わりやすい文章に磨き上げられる。
感想
私はこのブログを書き始めるまでに1週間以上かかってしまいました。
うまく文章を書けるか不安でしたし、この本から学んだたくさんのことがある中で、どうまとめて良いかわからなかったからです。
今はこのブログを書きながら、再度この本の理解を深めることができて、筆者である古賀さんが教えてくれたことを体感できたと感じています。
例えば、1回読んだだけで「翻訳」という言葉に対して完全に理解できなかったですが、今回要約していく中で、翻訳=「頭の中を整理し、読者がわかりやすいように文章構成や伝え方を変えること」と自分なりに解釈することができました。
今回の要約で書ききれなかった古賀さんのノウハウは数えきれないほどあります。
興味を持った方はぜひ読んでみてください!
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